ツイッターで連投するのもアレなのでブログにでも置いておこうというソレ
エマヌエルの剣はバイエルン選定公、マクシミリアン2世エマヌエルの所持していた両手剣です。(全体図はエマヌエルの剣でググると出ます)
上の画像はアップですがこの剣が金属製では無いのが分かると思います。
ジャンルで言うとsawfish rostrum sword(ノコギリエイの吻製の剣)となり
その名前の通りノコギリエイという魚の伸びた吻を武器に転用したモンハンライクな品です。
サイズもモンハンです。(モンハン的には太刀扱いになりそうですが)
ノコギリエイは非常に大型になり、この冗談みたいなサイズの剣がいくつも存在しています。
上:ドレスデン武器博物館 蔵
下:英国 チリンガム城 蔵
他にも、モスクワ ダーウィン博物館、故宮博物館、個人のコレクターなどでも所蔵が確認されています。
たくさん作られているのだから、さぞ強いんだ! そうか!傷が治りにくいんだ!と立ち上がったフランベルジュクラスタの皆さん落ち着いて
古い記録では中東で使われていたそうです ``儀仗``として
上に挙げた写真からも分かりますが、これらを実際に武器として振り回せそうな人はベルセルクとかにしか出てきません。
片手剣サイズのものも存在するのですが
19世紀製 詳細不明 長さ約90センチ
これらは捕鯨漁者などが、小遣い稼ぎに作っていた手芸品で、実用の武器ではなくやはり壁飾り用のものでした
作り方も乾燥した吻にナイフの柄を指し込み、金具で留めたものでブンブン振り回せそうにはありません。(エマヌエルの剣にも大きな飾り金具が根元部分に存在しているのが分かります)
メラネシア地域でもノコギリエイ(もしくはノコギリザメ)の吻を利用した武器は確認されるのですが、強度に問題がある(サメやエイは軟骨魚類なので硬骨を持たない)のでやはり戦闘用ではなく儀式用だったと思われます。
戦闘用ではバヌアツのサメの歯剣などがあります。
しかし、この見るからに痛そうで、不気味な見た目には強い威圧効果があったと思われます。だからこそ、世界の権力者達はその見た目を重用し儀仗や壁飾りに求めたのではないでしょうか。
この不思議な魅力に溢れたエマヌエルの剣の話は、このニュース記事で締めたいと思います。
http://www.abc.net.au/news/2012-10-16/police-arrest-man-armed-with-sawfish/4315462
参考にしたサイト
EthnograhpicArms&Armour Sawfish sword
http://www.vikingsword.com/vb/showthread.php?t=1005